楽天的生活記

楽天的に過ごす おっさんの備忘録

とあるキャバクラのお話し


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こんにちはterajinです。

 

いやぁー、暑いです。

てなわけで暑気払いという人間の都合の良い慣習に託(かこ)つけて飲み会がありました。

 

メンバーは、とある業界の会社は違えど同じ職種の面々です。例年忘年会は開催しているのですが。

酒が飲みたい面々は夏にも開催したのでした。

 

そんなしょうもない お・は・な・し

 

「えんもたけなわですが」と意味もよく分からない謎なお決まりのセリフを吐きこの宴席は締めくくられた。

 

10人いたメンバーはぞろぞろと挨拶もそこそこに帰宅してゆく。

残ったのは4人だ。お互いに暗黙の了解なのか、面々はニヤついている。

「じゃあ行きますか」

誰かが言う。

「terajinさん決めていいですよ」

誰かが言う。

「いいんですか?私が決めてしまって?」

とか言いつつ、どうしようか考えを巡らす。

前回の忘年会の時はお金をケチってフィリピンに行ったのだが。

まともな会話にならないし、みんな子持ちだろう面子で失敗した記憶があったのだ。

今回は日本人がいい!というアツい決意を胸に、

「日本人がいいです」と情けない回答をした。

歩くとすぐにボーイに声をかけられた。

フィリピン国籍のボーイだ。

「3000円!3000円!60分!今ならマンツー」

おぉ、そうか。しかし、今回は固く決意したので適当にあしらった。

すると日本国籍の今風のボーイに声かけられた。

「60分、5000円ですけどどうですか?今ならマンツー付きますよ」

するともう一人の別のボーイに

「うちも同じサービスでやってます。

今夜はキャンペーン中でワイシャツです。」

最初のボーイは

「うちはドレスです。」

…………うーん。どうしようかな。

私よりも年下の最近結婚したSK君に相談した。

「どうする?どっちが良い?」

「ワイシャツが良いです」

鼻の下が、のびながら答えている。

ワイシャツはきっと透けるからね。でもなぁー、色っぽくないんだよね。サイズもブカブカだし。

「俺はドレスが良い!」

良い大人が主張し合う。こんな時平和的解決はじゃんけんである。

古来じゃんけんは邪拳と書き。人を殺める為の立派な、武術であった。そんな時代の流れの中で今の平和的形となる。

そして、今回ばかりは邪拳としての勝負が繰り広げられ、勝負は決した。

「じゃあドレスで!」

という事でボーイに案内される。

道中、年長者の仮にGGとして、おこう。

ドリンクバックの話がでた。

GGは言う。

「こういうのは先に決めておかないと。」

なんやかんやでうやむやのまま店に着き、各々席に付く。

年下のSKはなぜかスツールに座っていた。

ここのが落ち着くらしい。私から見て対面である。

私の右隣はすでに出来上がっている、仮にジャンボとしておこう。年上である。

さらに右隣はGGである。

間を割るように夜の蝶達が席に着く。

と言っても価格から察するにここは銀座や六本木などではありません。

「何を飲まれますか?」

ハイボールで」

最近はおっさんになったためかハイボールが旨い。

ジャンボは言う。

ウイスキーストレートで」

「えっ。」

蝶達は皆ドン引きである。

席に着き飲み始めれば後は各々が隣に着いた蝶達との会話を楽しむ。

接待とかではないので、気楽なものである。

最初に着いた子は顔が今風で綺麗なのだが、いまいち会話が盛り上がらなかった。

次に、着いた子は黒髪の子で。何か引かれる物があったのか身を乗り出して会話していた。内容は他愛ない事だったと思う。

ある程度打ち解けた所で、

「お酒頼んでもいいですか?」

きた!席を見渡すと、まだ誰も頼んでない。

さすが、頃合いをわかってらっしゃる。

断るのも、なんだか癪に障るのでここは大人の対応で。

「どうぞ。」

黒髪の蝶がお酒を飲んでいると、(グラスビールだったと思う)

GGが吠える。

「えっ!お酒頼んでるの!?さっき頼まないって決めたじゃん!」

えっ、決めてたっけ?取り敢えず謝る。

「すいません。可愛いから断れませんでした。」

GG「もー、折角頼まないって決めてたから我慢してたのに、いいよ!いいよ!皆も頼んじゃって。」

その一声で、蝶達は瞬間的に小さな紙に何かを書き始める。この反射神経を、何か別のものに活かせばいいのに。

そんな中でSKの席とジャンボの席には三人目の蝶が舞い降りた。

SKの席は菜久緒と藤田ニコルを、足して2で割った顔である。

ジャンボの席は足立梨花とガッキーを足して2で割った顔かな。

とにかく二人とも顔が小さいし、スタイルが良い。

あぁ、この人達はこの店のナンバー1,2なんだろうなぁ、と悟った。

そんな中でおもむろにジャンボは立ち上がる。

「ヤバい。恋をした。雷に打たれた。」

いや、彼は既婚者である。

よくわからないが、どうやら少年のようなピュアな、気持ちに戻ったらしい。

しかし、うまいものでここで60分タイムアップである。

名残惜しそうなSKとジャンボは無視して、

「会計で!」

といい放つ。

うまくできている。ラスト15分ぐらいの所で、店は最強カードを切ってくるのである。

恐らく延長した所で、直ぐにヒラヒラと飛んで行くだろう。

ここは、引き際である。隣の蝶から放たれるソフトタッチという甘い蜜に惑わされてはいけない。

いけないんだ!

 

会計を済ませ、店を出ると。

またフィリピンのボーイが声を掛けてきた。

おぉ、そうか。でも大丈夫。適当にあしらう。

 

早々に解散し、帰宅するとまだ時計はテッペンを回っていない。

実に平和的で、丁度良い飲み方であった。

 

翌日、ジャンボの顔はガーゼを当てていた。

帰宅中転んだらしい。

別の雷が落ちたのかと思った。

 

おしまい。

 

※多少ファンタジーが織り交ぜてあります。